荒れ模様の株式相場とバランスファンド
株式相場が荒れ模様の時こそバランスファンドの真価が発揮されるのではと思っていました。ところが、現時点(2016年9月20日)では新興国の不調に水を差されて「世界経済インデックスファンド」の成績は、むしろ「SMT グローバル株式インデックス・オープン」より振るいませんでした。
では老舗のバランスファンドで、もう少し保守的な資産配分だったらどうかということで、「SBI資産設計オープン(資産成長型)愛称スゴ6」に注目してみました。
「SBI資産設計オープン(資産成長型)」の資産配分は株式と債券の比率が40%ずつ、REIT(不動産投資信託)の比率が20%となっています。
国内外の配分は日本と日本を除く先進国で半々(1対1)で、新興国は含みません。
下の表はNISA口座で各年度の最初の日に投資枠全額を一括で投資した(1月最初の営業日の基準価額で約定)として、2016年9月20日現在においての年度ごとの損益とその合計値をまとめたものです。
2014、2015年度のNISA口座の投資枠は100万円ですが、2016年からは120万円に増額されています。
読み飛ばして構わない細かい注釈なのですが、厳密にいうと海外資産を含む投資信託の約定日はおおむね翌営業日です。またNISA口座は受渡日を基準に年度が決まるので、年末近くに投資するとその年の枠に含まれず翌年度の枠に入ることになります。
毎月、月末近くに積み立て日を設定している人は12月の分が翌年に回されて、その分NISAの枠が余ってしまうこともありますので要注意です。あまり意味はないかもですが、せっかちな人は逆に年末に投資すると早めに翌年度分の投資を始めることもできます。
SBI資産設計オープン(資産成長型)成績
「SBI資産設計オープン(資産成長型)」は現時点(2016年9月20日)での基準価額から見ると、2014年は好調で、2015年、2016年は残念な成績でした。
通算では微マイナスと相場に逆風が吹く中では健闘しているといえるのではないでしょうか。
2014年に1万口当たり20円の分配金を出していますが、表中の基準価額には含まれていません。
SMT グローバル株式インデックス・オープン成績
「SMT グローバル株式インデックス・オープン」(日本を除く先進国株式)は現時点(2016年9月20日)での基準価額から見ると、2014年の損益だけが黒字で、2015年、2016年と続けて損益率が2桁の赤字になっています。
2016年度から投資枠が120万円に増額されているため、損益率での赤字幅は縮小していますが損益額では逆に大きくなっています。
通算では赤字額が20万円を超えています。
2014年に1万口当たり20円の分配金を2回出していますが、表中の基準価額には含まれていません。
SMT グローバルREITインデックス・オープン成績
「SMT グローバルREITインデックス・オープン」(日本を除く先進国株式)は現時点(2016年9月20日)での基準価額から見ると、2014年度が大幅な黒字で、2015年、2016年と続けて赤字にはなっています。
「SMT グローバル株式インデックス・オープン」より下落幅は小さく通算でも黒字を維持しています。
2014年はアメリカが3度目のQE(量的金融緩和)を10月で終了する一方、ユーロ圏の欧州はQEを開始し、日本はQEを拡大した年でもあります。
2014年に1万口当たり40円の分配金を出していますが、表中の基準価額には含まれていません。
SBI資産設計オープン(資産成長型)は成績は健闘もコストが課題
新興国を含まず国内資産への配分が大きめなど、「SBI資産設計オープン(資産成長型)」の資産配分は「世界経済インデックスファンド」より保守的です。REITへの分散投資の効果もあって株式相場が荒れ模様の中、「SMT グローバル株式インデックス・オープン」より落ち込みが少なくてすみました。
バランスファンドの面目躍如といったところでしょうか。
「SBI資産設計オープン(資産成長型)」は老舗のバランスファンドで地味ですが、国内外の株式インデックスファンドや「世界経済インデックスファンド」(海外資産の比率が約90%)ほど変動リスクを取りたくない方には悪くないファンドだと思います。
できれば投信マイレージによるポイント還元(SBI証券)だけでなく、最近の低コストファンドに比べ高めの運用管理費用(年率0.7344%)を値下げしてほしいところですが。
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