意外?「SMT米国配当貴族」の組入銘柄の配当利回りは外国株式インデックスより低い

2016年9月30日金曜日

REIT 債券 新興国株式 積立投資メモ 先進国株式 配当貴族 米国株式

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木の実をついばむ小鳥(ヒヨドリ)写真

記事の最後に2017年3月末のデータを追記しました。

配当も基準価額を動かす要素の一つ

分配金を出さない方針のインデックスファンドだと配当はファンド内で再投資されていてなかなか意識することはありませんが、配当の利益も投資信託の基準価額を左右する要素の一つですよね。

外国株式や債券、REIT(不動産投資信託)のインデックスファンドの配当利回りについて各投資信託の月次レポート(2016年8月末現在)から調べてみました。

ここでいう配当利回りは、組入銘柄の課税前の配当利回りや最終利回りの加重平均です。野村アセットマネジメントのFunds-iシリーズは小数点以下1桁まで、三井住友トラスト・アセットマネジメントのSMTシリーズは小数点以下2桁までの数字になっています。

信託報酬(運用管理費用)は税込の数字で、このほかに監査費用、有価証券の売買・保管費用、税金その他コストもあるので、配当利回りと信託報酬の差がそのまま基準価額にプラスされるわけでなく、あくまで参考値です。

利回り比較

Funds-i 外国株式・外国債券・外国REIT・新興国株式・新興国債券、SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン利回り比較
2016年8月末現在

今回比較したインデックスファンドの中で利回りが一番高かったのは「新興国債券」に投資するファンドでした。もっともインフレ率の高い新興国の通貨は下落しやすく、表面上の利回りが高くても通貨安で相殺されがちですよね。

配当利回りの2位は「外国REIT」でした。「外国REIT」の約7割を占めるアメリカのREITの場合、利益の90%以上を分配すると法人税が免除になります。

「配当貴族」の配当利回りが「外国株式」や「新興国株式」より低いのは意外に思われるでしょうか。交付目論見書によると配当貴族指数は利回りの高さではなくて増配の継続性を重視した指数のようです。

先進国の債券の利回りが低下するなか、安定的に配当を出している企業の株式に注目が集まっているそうなので、「配当貴族」に組み入れられた銘柄もすでに値上がりした後なのかもしれません。

外国債券の利回り(平均最終利回り)は低いものの信託報酬を差し引いても辛うじてプラスの数字になっているようです。ただし、この利率では、為替の変動を考えると株安の時に円高で目減りしがちな外国債券は不要と考える人が少なくないのも、うなずけるでしょうか。

追記
その後、野村インデックスファンドに「Funds-i フォーカス 米国株式配当貴族」が追加されました(2017年1月10日)。2017年3月末現在のデータは下の表のとおりです。

Funds-i 外国株式・外国債券・外国REIT・新興国株式・新興国債券、フォーカス 米国株式配当貴族利回り比較
2017年3月末現在

「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」の2017年3月末現在の配当利回りは2.39%なので、四捨五入すれば「Funds-i フォーカス 米国株式配当貴族」と同等の利回りですね。

以前は「外国株式」のほうが「配当貴族」よりも、むしろ配当利回りが高い状態でした。安定した配当の「配当貴族」に人気が集まったので株価が割高になって配当利回りが落ちていたようです。

米大統領選後のトランプラリーで「外国株式」が値上がりして配当利回りが落ちた一方、利上げの影響で「配当貴族」は相対的に魅力が薄れたこともあり配当利回りが若干改善したようです。その結果、今は「外国株式」と「配当貴族」の利回りは同じ水準になっています。



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