信託報酬の引き下げに積極的なニッセイの<購入・換金手数料なし>シリーズですが気になる点も

2016年10月21日金曜日

REIT 国内株式 債券 投資信託メモ

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日本生命日比谷ビル写真
日生劇場(日比谷)

※ 記事の最後に各社インデックスファンドの内外の株式、債券、リートの銘柄数について新しいデータ(2017年5月末現在)を追記しました。

<購入・換金手数料なし>シリーズ信託報酬率引下げ

2016年10月21日、ニッセイの<購入・換金手数料なし>シリーズ7商品の信託報酬率引下げPDF)が発表されました。私も「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」に投資しているのでありがたいです。

どうせなら「たわらノーロードシリーズ」が登場した時に引き下げをしてくれれば乗り換えずにすんだのにという思いもありますが(苦笑)。

もっとも、あの時はニッセイの運用成績が信託報酬が低いわりにさえなかったので、やむを得なかったとも言えます。外国株式インデックスファンドの組入銘柄数が他社に比べて少なく、他社並みに銘柄数を引き上げた際に一時的に運用成績が悪化する場面があったので。

組入銘柄数

ニッセイの<購入・換金手数料なし>シリーズの月次レポートを見ると、いくつかの商品でやはり組入銘柄数の少ないものがあり、この点が気になります。

下の表は他社も含めて各種インデックスファンドの2016年9月末の月次レポートの組入銘柄数をまとめたものです。「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」だけ月次レポートに組入銘柄数の記載がなかったので2016年2月22日の運用交付目論見書を参考にしています。

組入銘柄数

国内株式(TOPIX)を投資対象にしたインデックスファンドでは、ニッセイの<購入・換金手数料なし>シリーズが「iFree」をのぞき他社にくらべて300銘柄近く組入銘柄数が少ないです。

国内債券を対象にしたインデックスファンドでは、どのファンドもNOMURA-BPI総合指数をベンチマークとしているものの組入銘柄数のばらつきが大きいです。その中でもニッセイのニッセイの<購入・換金手数料なし>シリーズは他社にくらべ飛び抜けて組入銘柄数が少ないです。

海外リートを対象にしたインデックスファンドではニッセイの<購入・換金手数料なし>シリーズのみ先進国だけでなく新興国も含んだベンチマークを採用しているのにもかかわらず他社にくらべ1割ほど組入銘柄数が少ないです。

<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドの運用交付目論見書(2016年2月22日)によると、この投資信託のマザーファンドは下記の通り層化抽出法を採用しているそうです。運用交付目論見書(2016年2月22日)の5ページ9行目から11行目を引用しました。

銘柄選択については、一部信用不安銘柄を投資ユニバースから除外した後、層化抽出法にて行いました(市場でのウェイトが大きな銘柄については、ベンチマークであるTOPIX(配当込み)との連動性を高めるために、信用不安銘柄であっても組み入れを行いました)。 

層化抽出法は組入銘柄数が少ない分、低コストな反面、指数とのかい離が大きくなりがちと言われています。詳しくは「SMTインデックスシリーズコラムVol.5インデックスファンドの運用手法(層化抽出法)」(PDF)をご覧ください。

DC版の信託報酬の引き下げは?

あともう一つ気になるのは、今回、<購入・換金手数料なし>シリーズの信託報酬が引き下げられたことにより外国株式インデックスファンドでは確定拠出年金向けの「DCニッセイ外国株式インデックス」(年率0.21%税抜)が「<購入・換金手数料なし>外国株式インデックスファンド」(年率0.2%税抜)にくらべ割高になってしまったことです。

確定拠出年金向けの「DCニッセイ外国株式インデックス」の信託報酬の引き下げも忘れずにお願いしたいところです。

追記
下の表は2017年5月末現在の月次レポートから銘柄数をまとめたものです。「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」のみ月次レポートに組入銘柄数の記載がなかったので2017年2月20日の運用交付目論見書を参考にしています。

リートはニッセイのみ新興国を含む指数をベンチマークにしています。他社の先進国リートよりむしろ銘柄数が少ないです。

組入銘柄数





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