NISAと個人型確定拠出年金をどう活用する?個人型確定拠出年金は60歳まで解約できない欠点も

2017年3月21日火曜日

iDeCo NISA注意点

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NISAと個人型確定拠出年金(iDeCo)どちらも非課税メリットがありますが制度上の違いもあり、どう活用したらいいのか、とまどってしまうこともあるでしょうね。それぞれの長所と短所を交えながら活用方法を簡単にまとめてみました。

NISAと個人型確定拠出年金の非課税メリット

NISAの場合、株式や投資信託の配当や売却した時の譲渡益にかかる約20%の税金が5年間、非課税になります。開始当初は毎年100万円の非課税枠が設定されていましたが、今は120万円まで拡大されました。

NISA投資期間イメージ図
出典:金融庁(http://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa/overview/index.html)

個人型確定拠出年金の場合、元本確保型の商品(定期預金や保険)と元本変動型の商品(投資信託)があり、運用益や利子が非課税なのに加えて、住民税や所得税が軽減されるメリットもあります。掛け金が全額所得控除の対象になります(収入のない専業主婦・主夫や無職の方はのぞく)。毎月の掛け金が2万円なら、税率20%だとすると年間4万8千円の節税効果があります。60歳以降に受け取るときには、退職金や年金として退職所得控除か公的年金等控除が受けられます。

拠出限度額は、自営業者等は年額81.6万円(月額6.8万円)、専業主婦や企業年金等に加入していない人は年額27.6万円(月額2.3万円)、企業年金等に加入している人や公務員・私学共済加入者は年額24万円(月額2万円)または年額14.4万円(月額1.2万円)となっています。自営業者等の金額は国民年金基金との合算になります。

資産運用の基本は内外の株式と債券に幅広く分散して投資することですが、非課税メリットを最大限に生かすならNISAや個人型確定拠出年金では株式100%で運用したほうが効率がいいのは確かですね。NISAの場合も、個別の企業の株に投資するよりも、多くの銘柄にまとめて投資できる投資信託を利用したほうが倒産による損失リスクは小さくなります。

もちろん安全資産(個人向け国債や預貯金等)をしっかり確保した上での話ですが。

NISAのデメリット

ただ、現行のNISAは運用期間が5年と限られていて運用期間の終了時に値下がりしていると、その値下がりした価格が取得価格とされてしまうデメリットもあります。

たとえば100万円で購入した株や投資信託がNISAの運用期間の終了時に80万円に値下がりしていると、100万ではなく80万円で購入したことになってしまうので、後で値上がりした時に売却すると税金がそのぶん増えることになります。また特定口座など他の口座の利益と相殺すること(損益通算)もできません。

なので慎重を期すなら値動きの大きい株式100%ではなく、債券も含むバランスファンドに投資するというのも一案かもしれません。値下がりしてしまった場合、上記の図の1ロールオーバーを使って、さらに5年間運用して値上がりを待つという方法もありますが、制度の改善を希望したいです。

個人型確定拠出年金のデメリット

NISAはいつでも解約できますが(ただし一度売却してしまうと、そのぶんの非課税枠は再利用できません)、個人型確定拠出年金は原則60歳まで解約することができません。加入期間が10年未満の場合は、期間に応じて受給開始年齢が61~65歳まで引き上げられます。

多くの金融機関で口座開設料や管理料が無料となっているNISAと違って、個人型確定拠出年金の場合は加入時だけでなく毎月、口座の管理手数料もかかります。金融機関によって異なりますが、最低でも加入時に2,777円、毎月167円(掛金拠出者の場合)かかります。

NISAよりも長期での運用になることや手数料を考慮すると、期待リターンの高い株式に投資する投資信託が、その中でも信託報酬が比較的低廉な指数連動型のインデックスファンドが有力な候補になるでしょうか。

石橋を叩いて渡るなら、住民税や所得税が軽減される節税メリットを重視して、あえて元本確保型の商品を選ぶというのもありかもしれません。

まとめ

NISAだと確定拠出年金と違って投資信託だけでなく個別の企業の株式にも投資できますが、私は今のところ投資信託を利用していてNISAではバランスファンドと株式インデックスファンド両方を、個人型確定拠出年金(iDeCo)では株式インデックスファンドのみを積み立てています。

過去の統計から長期では債券よりも株式のほうがリターンが高いと言われています。とはいえ、過去の実績が必ずしも将来の運用成績を保証してくれるわけではありませんよね。人生は有限なので自分の人生の晩年と株式市場が不調なときが重ならないとも限りません。一般的には、リタイアや目標とする金額に近づくにつれて株式の比率を下げることが推奨されています。

投資をする前に生活防衛費を確保しておくのが原則ですが、それでも万が一の時に運用資金を取り崩すことを考えた場合、NISAでは債券を含むバランスファンドにも投資しておいたほうが無難かなと。




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