基準価額が2,000円台で毎月100円の分配金はお買い得?『グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド』

2017年8月23日水曜日

8資産均等型 REIT

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楽天証券の投資信託の買付ランキング(2017年8月14日~同18日)で1位の『グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド(毎月分配型)』(愛称:トリプル・プレミアム)の特徴と運用成績を、他のファンドと比べながら簡単にまとめてみました。

リート(不動産投資信託証券)に投資するインデックスファンドやリートを含むバランスファンド(8資産均等型)と比較しています。

ファンドの特徴

グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド(毎月分配型)』は、主として外国投資信託証券への投資を通じて日本を含む世界のリートへ実質的に投資することで、相対的に高い配当利回りの獲得と信託財産の成長を図ることをめざします。

3つのプレミアム戦略によりリートへの投資を上回るインカム収入の獲得をめざします。

コール・オプションの売却取引によって、リートや選択した通貨の一定水準以上の値上がり益を放棄する見返りとしてオプション料を受取ることができます(グローバル・リート・カバードコール戦略及び通貨・カバードコール戦略)。

また米ドル売り/選択通貨買いの為替予約取引により、選択通貨と米ドルとの金利差の獲得をめざします(為替取引・プレミアム戦略)。

原則、毎月の決算時に収益の分配を行います。

グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド(毎月分配型)資産構成
グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド2017年6月末月次レポート2ページより引用

EXE-i グローバルREITファンド』は、主としてETF(上場投資信託)への投資を通じ、日本を含む世界のリートへ実質的に投資します。S&Pグローバルリート指数(円換算ベース)を参考指標とし、基本投資割合は米国60%、米国以外40%です。原則、為替ヘッジを行いません。

eMAXIS 先進国リートインデックス』は、日本を除く先進国のリート市場の値動きに連動する投資成果をめざします。ベンチマークのS&P先進国リートインデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)は、北米、アジア・オセアニア、欧州、中東の15か国323銘柄で構成されています(2017年5月末現在)。

eMAXIS バランス(8資産均等型)』は、日本を含む世界各国の株式、債券およびリート市場の値動きに連動する投資成果をめざします。国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リートの8つの資産に均等に(12.5%ずつ)投資しています。

グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンドほか成績

グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド、EXE-i グローバルREITファンド、eMAXIS 先進国リートインデックス、eMAXIS バランス(8資産均等型)成績表
2017年8月22日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません

購入時手数料はネット証券など無料の場合もあります。騰落率は税引前の分配金を再投資したものとして計算しています。

グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド(毎月分配型)』の成績は、過去1年の騰落率では他のファンドより好調なものの、設定来の騰落率では指数(インデックス)に連動する比較的低コストなインデックスファンドに大幅に劣後しています。

リートを含む8資産均等型のバランスファンドに対しても同様の傾向です。ちなみにリートではなく先進国株式インデックスファンド(『eMAXIS 先進国株式インデックス』)だと、過去1年の騰落率は+24.69%、設定来(2013年6月28日~)の騰落率は+62.07%となっています。

まとめ

前述の通り『グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド(毎月分配型)』は楽天証券の投資信託の買付ランキング(2017年8月14日~同18日)で1位です。

SBI証券でも販売金額人気ランキング(期間は同上)でも3位です。基準価額が2,000円台で毎月100円の分配金を配っていますから、お買い得に見えるのかもしれませんね。過去1年の騰落率だけを見るなら成績も悪くありません。

もっとも、交付目論見書によると延長がなければ信託期間は2018年6月18日までとなっていますから、ランキングの上位だからといって今からあわてて投資するのは再考すべきでしょうか。もともと信託期間は2013年6月28日から5年ほどですから、リートの配当に上乗せを狙うプレミアム戦略そのものが長続きはしないものだったのでは?という疑問もわきますよね(今回、取り上げたインデックスファンドの信託期間は無期限です)。

『グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド(毎月分配型)』と同種のオプション取引を含む複雑な仕組みの高コストな投資信託は、長い目で見るとコスト負担が重荷になりがちという側面もあります。『トリプル・プレミアム』も設定来の騰落率では比較的低コストなインデックスファンドに劣後していました。

やはり、分からないものには手を出さないというくらいの慎重さでいいのかもしれませんね。

こぼれ話
『グローバル・リート・トリプル・プレミアム・ファンド(毎月分配型)』の交付目論見書の9ページから分配金に関する注意事項を引用します。

分配金は、預貯金の利息とは異なり、投資信託の純資産から支払われますので、分配金が支払われると、その金額相当分、基準価額は下がります

分配金にのみ注目するのではなくて、基準価額の値動きも含めたトータルリターンが大事ということですよね。また分配金は必ずしも投資のもうけ(収益)から出ているわけではありません。

‌受益者のファンドの購入価額によっては、分配金の一部ないしすべてが、実質的には元本の一部払戻しに相当する場合があります




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