『iFree S&P500インデックス』をNYダウや米国配当貴族等の投信と比較 楽天・全米株式も気になる?

2017年9月18日月曜日

配当貴族 米国株式

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スミソニアン博物館(アメリカ)
スミソニアン博物館(アメリカ)

※ 記事を更新しました(2018年3月7日現在)。

2017年8月31日に設定された『iFree S&P500インデックス』の特徴と運用成績を、競合する米国株式インデックスファンドと比較しながら、簡単にまとめてみました。

比較の対象は『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』、『iFree NYダウ・インデックス』、『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』です。

参考までに先進国株式インデックスファンドである『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』とも比べてみました。

iFree S&P500インデックスほか特徴

iFree S&P500インデックス』と『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象としたS&P500指数(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

『iFree S&P500インデックス』ベンチマークの年間騰落率と他の代表的な資産クラスと騰落率の比較
『iFree S&P500インデックス』交付目論見書6Pより引用

左のグラフは『iFree S&P500インデックス』のベンチマークであるS&P500指数(円換算ベース)の過去5年間の年間騰落率(各月末の直近1年間の騰落率)を示したものです。

右のグラフは当ファンド(設定前のためベンチマークで代替)の過去5年間の年間騰落率を他の代表的な資産クラスと比較したものです。

iFree S&P500インデックス 業種別構成比と組入上位10銘柄
2018年2月末現在

楽天・全米株式インデックス・ファンド』は、米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーするCRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

実質的な投資対象である『バンガード・トータル・ストック・マーケットETF』は2018年1月末現在、3,637銘柄で構成されています。

バンガード・トータル・ストック・マーケットETFのセクター別構成比と上位10銘柄
2018年1月末現在

iFree NYダウ・インデックス』は、米国を代表する主要30銘柄を対象としたダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

iFree NYダウ・インデックス 業種別構成比と組入上位10銘柄
2018年2月末現在

SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』は、25年以上連続して増配している銘柄を対象としたS&P500配当貴族指数(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

2018年1月末の月報によると、54銘柄に投資しています。

SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン組入上位10業種と組入上位10銘柄
2018年1月末現在

『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』の月報の業種は、より詳細な産業グループで分類されています。配当貴族構成銘柄は老舗の企業が多く、新興の「情報技術」セクターの産業グループは表中に含まれておらず、同セクターの比率は低いようです(※)

※ 2018年2月末現在、S&P500配当貴族指数のセクター別内訳で「情報技術」は1.9%です。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』は、日本を除く主要先進国の株式を対象にしたMSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの組入上位10業種と組入上位10銘柄
2018年1月末現在

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 国・地域別構成比 2018年1月末
国・地域別構成比 2018年1月末

今回取り上げたファンドは、為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。

iFree S&P500インデックスほか成績比較

iFree S&P500インデックス、iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンド、iFree NYダウ・インデックス、SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド成績比較表
2018年3月6日現在
過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません

iFree S&P500インデックス』は純資産総額で『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』を追い抜いています。

その一方で、さらに後発の『楽天・全米株式インデックス・ファンド』に純資産総額で逆転されるなど、米国株式インデックスファンドの競争は激しいです。

一口に米国株式インデックスファンドといっても、銘柄を幅広く分散した上記の3つの投資信託と、銘柄を絞りこんでいる『iFree NYダウ・インデックス』や『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』とでは、やはり値動きが異なるようです。

ただし、過去の実績は将来の運用成績を保証するものではなく、期間の取り方によっても、どのファンドが優勢かは変わってきます。

購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なり、ネット証券など無料の場合もあります。今回取り上げた投資信託は解約時の信託財産留保額はありません。

『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』よりも後発の『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の信託報酬(運用管理費用)は、年率で税込0.11826%とさらに低廉になっています。

『iFree S&P500インデックス』の信託報酬(年率で税込0.243%)の半分ほどの水準です。

まとめ

つみたてNISAをきっかけにインデックスファンドの一層の低コスト化が進んでいて、『iFree S&P500インデックス』よりも国や地域の分散された先進国株式インデックスファンドのほうが信託報酬が低廉なのは、悩みどころかもしれませんね。

米国株式インデックスファンド同士の比較であれば、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』のほうが『iFree S&P500インデックス』よりも多くの銘柄に分散されていて、信託報酬も低いです。純資産総額で逆転されてしまったのも、やむなしでしょうか。

ただし、中小型株まで幅広くカバーしている『楽天・全米株式インデックス・ファンド』は、大型株で構成された『iFree S&P500インデックス』に比べ、良くも悪くも値動きが大きめなようです。

『iFree S&P500インデックス』と直接競合するであろう、S&P500指数連動型の『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』は、ファンド・オブ・ファンズ方式の投資信託です。

投資先の『iShares Core S&P 500 ETF』は2018年3月6日現在、純資産総額がおよそ16.5兆円と極めて大きいため安定した運用が期待できます。

iFree S&P500インデックス』も、資産規模の小ささを補うのに設定当初、同ETFを20%弱ほど組み込んでいました。

『iFree S&P500インデックス』組入上位10銘柄
組入上位10銘柄(2017年9月末月報より)

資産規模が大きくなってくれば、経費が二重にかかる外国投資信託や指数とのかい離が懸念される先物の比率は次第に縮小していくものと思われます(市場動向により調整役として比率が一時的に上下することはあるかもしれません)。

上の表の外国投資信託19.7%、先物11.7%という比率は2017年9月末時点のもので、2018年2月末現在では外国投資信託は15.0%、先物は4.0%という比率になっています。

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こぼれ話
『iFree S&P500インデックス』はSBI証券、カブドットコム証券、大和証券、マネックス証券、楽天証券などの証券会社のほか、イオン銀行、三菱UFJ銀行等でも販売されています。




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